サンドブラスト用のキャビネットは、一昔前に比べて選択肢が増え、同時に廉価な輸入品などにより「プロの工具」からずっと身近な物へと変わりました。
その中でもよく目にする120/220/420リットルの赤いボディのキャビネットやそれに似ている物、広く出回っているために関わることも多く、様々な筐体に対して改良を加えたリ、機能の強化を図ってきました。
420リットルクラスの物には集塵機が標準で装備されている物もありますが、能力不足/吸排気のアンバランスを感じるうえモーターの不具合が出やすく、故障してしまうと修理で往生することに。電脳工房のお客さまのなかにも感じる不具合の数々に業を煮やし、撤去して弊社集塵機に入れ替えるかたもいらっしゃいました。
120/220リットルクラスは、集塵機を取り付けるための配慮さえ為されていない物も多数、なまじフィルターなど装着されているものだからその必要性さえ感じない、それどころか集塵機の存在すらご存知ない方も沢山いらっしゃいます。
結局、粉塵で曇るキャビネット内の作業が憂鬱になるばかりでなく、漏れ出す粉塵で健康を害してしまったり、周囲を汚してしまったり、メディアで素材・家具・床などにキズを付けてしまい、作業そのものが億劫になってしまう方が後を絶ちません。
それでは、集塵機に求められる機能には何があるのでしょうか?
■ 視界をクリアに
言うまでもなくこれは、多くの方が集塵機に期待する機能です。
■ メディアや粉塵を外に逃がさない
健康や作業環境への配慮として、最も肝心なことです。
■ メディアと粉塵の分離
いかに高性能/パワルフな集塵が行われても、まだまだ使えるメディアまで吸い込んでしまっては台無し、ランニングコストが嵩んでたまりませんし、それを廃棄することを考えるとこれだけ地球環境に対する意識が高まるなか、心が痛む思いすらします。
集塵機に求められる機能として、電脳工房ではこの点がもっとも重要であると考えます。
集塵器は廃棄すべき粉塵などをより効率よく回収し、メディアロスや廃棄物は最小限に抑える。
キャビネット内はクリーニングされたコンディションが良いメディアの比率を高める。
簡単なことのようですが、高価な市販品であってもそれが実現していない物も多数あります。
自作も可能ですが、工作が苦手なかた/お時間が無いかた/材料が入手できないかたは単品販売も行っていますので、よろしかったらご利用ください。
フィルター本体/キャビネットと密着させるためのパッキン/テンションが掛かるよう適度に固く、適度にしなる固定用金具/固定用のタイラップ セット価格2,376円(税込)
サンドブラスト 増設用吸気フィルター
キッチンの換気扇を稼働させるとき、煙を効率よく吐き出させるために、少し離れた窓を少しだけ開けましょう。
車やバイク、エアフィルターを掃除してもマフラーが詰まっていては何も改善しません。逆にマフラーに効率が良いフルエキを組んでも、エアフィルターが詰まっていては台無しです。
便秘していては美味しい物を食べても美味しく感じられない、食べること自体への欲求が沸きません。
それらと同様に、粉塵を効率よく排出するためには、吸気への配慮も必要です。
既に集塵器を取り付けている皆様、グローブが引っ張られてしまい作業がし難くなっている方はいらっしゃいませんか?
期待したほど集塵してくれなかったり、メディアロスが相変わらずという方はいらっしゃいませんか?
先々快適な作業ができるよう、ほんの少しの手間をかけてみてください。
塩ビパイプや鉄パイプをキャビネットに取り付け、掃除機の紙パックをバラしてワゴムで縛り付けているだけの方もいらっしゃいます。スポンジなどを貼り付けている方もいらっしゃいます。何れにしても「吸気をして粉塵を逃がさない」、それだけで環境は飛躍的に向上します。
粉塵の排出と同じだけ吸気を考えましょう
サンドブラスト 電脳工房オリジナル集塵器
電脳工房でリリースしている集塵器は、集塵環境が無い皆様が、お使いになるスペースや状況に左右されることがなく、よりお手軽に導入できるよう配慮しています。
また、市販のバキューム(集塵掃除機)や掃除機が接続できることに加え、本体の価格も従来の集塵器に比べて遙かにお値打ちな価格に設定しています。
内部構造はサイクロンが効率よくかつパワフルに発生するよう、最適なサイズを計算上割り出したうえ、実務により得た修正を加え、「見た目がサイクロン」ではなく「理に叶った構造」をしています。シンプルな外観に物足りなさを感じる方もいるかもしれませんが、フラスコ(メガホン)状の加速部分は内蔵して壊れにくく、なおかつ内筒やアダプタの有無などでカスタマイズできる、機能と堅牢さを兼ね備えた物です。お使いになってみないとその良さは判らないかもしれませんが、お買い求めいただいたお客さま、店頭でデモをご覧になったお客さまからは絶賛のお言葉を頂戴している自信作です。
さてこれで、新鮮な空気を吸い込んで粉塵を排出、排出した粉塵を集塵器でガッチリ分離し、ペーパー/ネルフィルターにこびり付いた粉塵を廃棄時に再びまき散らしてしまうことなく、排出口から最小リスクで回収してポイ!
飛躍的に向上したサンドブラスト環境を得られたことと思います。
もう一歩踏み込んで、より快適な環境に目を向けてみましょう。
いまお使いになっているバキューム(集塵掃除機)や掃除機はどのような物でしょうか?
無段階や数段階で調整ができる物をお使いになっている方は、その調整で十分に適度な調整ができていると思います。心配すべくはその機能が付いているグレードの商品は、比較的高額な物で壊れた時の出費の大きさくらいでしょうか。
しかし、バキューム(集塵掃除機)はそのような機能が付いているものは少なく、加えてパワフルなことがアダとなり、様々な問題を抱えてしまいがちです。
■騒音
通常の掃除でも気になるのに、作業中ずっと稼働させていると、ご家族や工房スタッフだけでなく、近隣家庭などへの気遣いもしなくてはなりません。コンプレッサーとバキューム(集塵掃除機)の騒音、サンドブラストをするうえで少しでも解消したい課題でもあります。
■メディアの吸い込み
必要以上のパワーは、メディアロスの原因になります。
これらの問題に加え、せっかく吸気口を増設しても追いつかなかったり。何事も適度な加減というものが必要です!
吸排気のバランスと効率を考えましょう
サンドブラスト 集塵器解説
電脳工房で推奨する吸排気位置はこの図のようになります。図解をご覧になればピンと来る方も多いと思いますが、かいつまんで説明します。
左に向かってブラストすることにより、左側にメディアや粉塵に加え、堆積しているメディアなどが舞い上がります。
左側に吸気、右側に排気位置を設けることにより、キャビネット内では左から右へ向かって
風の流れができています。
舞い上がったメディアや粉塵はこの
風の流れにより、キャビネット右側へと搬送されていきます。そして搬送されている間に質量がある「まだ使用可能な」メディアは、自重によってキャビネット底部へと落下し、導入口に辿り着く頃には、それらが除かれた破砕され質量が無くなったメディアや粉塵のみとなります。
最適な吸込量にするため、トライアック調光器などによる吸込量の調整も重要な要素になりますが、結果として集塵器で回収される物はそれらの「廃棄すべきもの」だけになるのです。
その為には、幾つか手を加えなければならない点、既存の吸気口を塞いだり、新たに穴を開けて吸気フィルタを取り付けたりといった手間があります。しかし、その手間以上のメリットがありますので、ぜひ加工をしてみてください。
吸塵能力やキャビネットの構造などによって異なることもありますが、先ずお使いの環境をもう一度ジックリご覧になり、少しだけ意識してみてはいかがでしょうか?もしかしたら驚くほど改善されるかもしれません。
さて、実はここからが本題のようなもので、電脳工房の商品宣伝に終始していると感じている皆さんも、ぜひジックリとお読みになってください。
ガラスアートで使用されるキャビネットは、正面に向けての施工も多いため、これから解説する点については少し勝手が違う点があります。理屈の上では一緒ですが、読み替えながらご自分のキャビネットに合った環境を見付けてください。
さて、お使いになっているキャビネットをご覧になってください。
日本人に多い右利きに配慮され、吸い上げ式のホース取り回しは右側に、何も躊躇うことなく右手で操作をし、左側に向かって噴射していることと思います。
吸排気口に目を向けてみると、その多くは右側に吸気口、左側に排気口があります。
右から左に向かって噴射するので、排気口が左側にあると一見効率的に排気し、粉塵を排出するように見えます。しかしこの構造こそがメディアロスの最大の原因になっているのです。
最後に 吸排気の位置を考えましょう
サンドブラスト トライアック万能調光器
そんな時のはこのトライアック調光器セット
調光器と聞くと、電球の明るさ調整を想像するかたが多いと思いますが、このセットはモーター制御用にその特性に合わせた回路を追加、一般的な1A〜3Aという小容量では制御できない大型のバキューム(集塵掃除機)の稼働をキッチリ受け止める瞬間最大40A、定格7Aという余裕の容量です。
DIYすれば万が一故障した場合でもメーカーに出さずとも修理できるというのも強みです。
単機能の廉価なバキューム(集塵掃除機)や掃除機を接続しても、高機能商品に早変わり!機器購入費の差額やメディアロスの減少で、あっという間に元が取れてしまいます。
風をよむ 快適なサンドブラスト環境って?
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