用途が広く便利で楽しいサンドブラストの世界
「サンドブラスト」という言葉を聞くと、ガラス工芸を思い浮かべるかた、錆取りや塗装剥がしを思い浮かべるかた、腐食したり汚れてしまったアルミパーツをピカピカにすることを思い浮かべるかたなど千差万別です。
それだけ多用途で面白いのがサンドブラストの世界。それぞれをご存じの方も、「こんな使い方もあったの!?」と驚かれることも多々あると思います。
電脳工房では機器の構成を工夫し、その多くを叶えられるようにしています。
このページでは、「サンドブラストってどういうもの?」を中心に紹介したいと思います。
まず、サンドブラストには大きく分けて「吸い上げ式」と「直圧式」があり、市販のキャビネットの多くは後者の「吸い上げ式」を採用しています。
「吸い上げ式」と「直圧式」は例えるならば霧吹きと水鉄砲の違いです。
同じ量のメディアを噴出させたとき、吸い上げ式は大量のエアとともに拡散して広い面積に噴きつけられますが、直圧式は少量のエアで密度が高い状態でスポット的に噴きつけられ、そのため非常に力が強く加工物を深く掘り下げることも可能になります。主として、
ガラスを広い面積で均一に刷りガラス状態にしたい時、錆や汚れなどを広範囲で除去したいとき、塗装面の足付けのために(サンドペーパーで擦るのと同じ目的)ブラストするときなどは吸い上げ式。
深彫りで立体感を出すガラス工芸/タイルを使った表札作り/デニムアート/複雑な形をしたアルミ製品をガラスビーズで磨くときなど、より深く掘る、より硬い素材を彫る、複雑な形状の物を掘るときなどは直圧式。
と使い分けをします。吸い上げ式は圧力が弱い分加減がしやすく、初心者の方にも向いているといえ、サンドブラストを使ったマグカップやグラスの製作や各種教室などで広く使われている反面、直札式を使いこなせるようになると、さまざまな表現や素材を扱えるようになり楽しみも膨らんでいきます。
電脳工房のキャビネットには、標準の吸い上げ式に直圧式を追加し、同時に使えるようにしています。
直圧式でガンコな錆をスポットで除去し、全体を効率よく吸い上げ式で仕上げる。
ガラスアートの主な図案を直圧式で深く彫り、周囲を吸い上げ式でボカして柔らかく仕上げる。
といった具合に使い分けることができます。